ない雪を追い求めて。-Wakura Onsen-
ほとんど雪が降らない関西にとって北陸はほぼ確実に雪を拝むことができる、そう考えられがちです。しかし果たしてどうなのでしょうか。我々調査班はこの謎を解明するべく、北陸へと向かった……というのは嘘です。
特急サンダーバードという、大阪と金沢・和倉温泉を結ぶJR西日本を代表する特急列車があります。大抵の行き先は金沢なのですが、毎日1日だけ、大阪発17号(乗車当時は15号)がIRいしかわ鉄道と七尾線を経由して和倉温泉へと足を延ばします。北陸新幹線開業前は、しらさぎ、はくたかと共に金沢~和倉温泉間の輸送を担っていましたが、その役目の大半を能登かがり火号に渡し、大阪から和倉温泉までの直通の列車はこの1本だけとなってしまいました。
……とかまあ要らぬ蘊蓄垂れ流すのはほどほどに、要は"こんな1日1本のレアな列車で、尚且つ車内自動放送が完備されててしかもしかも西村文江"という、乗らない理由はないし寧ろ乗りに行かなければならないという圧倒的な使命感の元、私は2月某日、大阪駅へ降り立ったわけであります。
Osaka Sta.
楽しみにしていることには、無駄に早起きをして、無駄に早く集合してしまう。そんなことを経験したことが誰しも1回はあると思います。いや、ある、絶対ある。当日私もそんなことをしてしまいました。その結果15号の入線はおろか、前の13号がまだ入線していない時間に大阪駅に着いてしまいました。
まあ逆にギリギリについてあたふたしながら駅で買い物するよりかはいくらか早めについた方が色々融通は利くので……
適当にホームにあった自動販売機から缶コーヒーを購入して飲んでいると13号が入線してきました。サンダーバードの新塗装も、はじめは違和感の塊でしたら慣れてくるとこちらもかっこいいなと思うようになりました。特にこのマーク。すき(語彙力)
乗車予定の15号が入線してきたので自由席に文字通り飛び乗り窓側座席を確保。この季節だし仮に混んでても外国人観光客はすくねえだろと思ってましたが真後ろに4人、白人の男女がいましたね……しかも京都まで乗って降りて行きました……何だったんだ。
つかこいつまたコーヒー飲んでるよ。
京都を過ぎて湖西というより湖北という表現が似合いそうになったところでしょうか、唐突に雪が降り出しおさまったころには一面の銀世界となっていました。ここにきて今シーズン初めて雪を見ました。
なお近江塩津を過ぎる手前には雪は消え去ってました。なんでや。
Wakura-Onsen Sta.
ということで金沢から能登半島方面に入り、和倉温泉駅に着きました。本当ならこのまま温泉に浸かりに行きたいところですが、この時、超巨大カメラバッグと衣類とかを詰めたキャリーケースを持っているため先に七尾駅に戻り荷物を置きます。
折り返しの能登かがり火まで七尾方面の電車がなかったので素直に自由席特急券を追加購入して乗ります。
Nanao Sta.
一駅戻って七尾駅、今日は七尾駅周辺にあるビジネスホテルに泊まります。
ホテルにチェックインし、荷物を半分ほど減らした上で温泉に浸かりに行きます。
Wakura Onsen Soyu
変にかっこつけて英語にしてるので公式の英訳がない時が滅茶苦茶困る。
晴天ならかなり綺麗なのですが、この季節なのでそうは行きません、悲しい。
ということで七尾駅から電車とバスを乗り継ぎ、和倉温泉に行ったらとりあえずここで風呂に入っておくかと前々から思っていた和倉温泉 総湯に着きました。
知り合いのオタクも全く同じところに行ってるのでもしよろしければそちらもどうぞ。つか写真と文章力に関しては彼(ウイロー氏)の方が圧倒的に上なのでこれ読んでる人は全員読め。
和倉温泉の観光案内所も兼ねているらしいこの施設、近代和風建築で明るく、しっかりとした印象の中、あたたかい、落ち着いた雰囲気が漂っていました。というか寒いのでとっととお風呂に入りますよ風呂。
大浴場でくつろぐなんていつぶりだったんでしょうね、普通に家の風呂に浸かっている時と大きい風呂に浸かってる時、リラックスできるのは圧倒的後者です。定期的に行かんとやってられん、りゅうおうのおしごと!の雛鶴あいちゃんの気持ちがよくわかります。
風呂上がり、施設の中にある自動販売機で皆さんは何を飲みますか。牛乳、ミックスジュース、もしかしたら水とかお茶だけでいいという方もいるのかもしれません。しかし、しかしですよ、私は誰に何を言われようと、たとえ悪魔に風呂上がりにミックスジュースか牛乳を飲まないと阪急神戸線の特急を西宮北口通過にするぞと脅されようとも、すっきりおいしい明治コーヒーを飲みます。ええ、私がこの世に生を受けて20年、貫き通しております。
ということで施設内にある休憩所でコーヒーを飲みながらごろんとくつろいでおります。ダメですね、何時間でも居れますよこれ、マイクラやってる以上に時間が溶けます。幸せすぎる。
しかし、そんなことをずっとしてたら閉まっちゃうしそもそも七尾のホテルに戻れなくなる、ということで非常に名残惜しいですが支度をして外に出ます。
写真は編集で無理やり明るくしてますが、外は真っ暗でした。あとクソ寒い。なんだこれ、雪が降ってないだけでやっぱ冬の北陸寒えわナメてた。
しかも何も書いてませんでしたが若干雨が降ってたらしいんですよね、そりゃ寒いわ。
想像以上の寒さの中、身を震わせながら温泉街を散策しつつバス停へ、まだ暫く来ないようなので近くにあった自動販売機であったかい缶コーヒーを買いつつ(今日で4回目)上手く風をよけれるところを探してバスを待ちました。
電車で七尾駅に戻りました。丁度折り返しが一日一本の能登中島行きだったので取材したけど車内自動放送はおろか車内放送すらまともにしないという残念っぷりを発揮し、夕飯を近くのファミリーマートで調達しつつ肩を落としホテルに戻ったのでした。